あきちゃんの結婚奮闘記 ④
あきちゃんのことが大好きで、何度も何度もプロポーズをし続けたカメラマン。
あきちゃんがプロポーズを断る理由が、両親からの反対かもしれないと思って、あきちゃんの実家に直談判にきたのでした。
父親はそんなことはどうでもいいことだと言ってくれたものの、
結婚の条件はあきちゃんの両親との同居と婿養子になること
その条件は一歩も譲る気がないあきちゃん
プロポーズを断る理由を初めて話したのでした。
結婚は当人同士だけではなくお家同士の関係も重要。
ふたりが望んでいてもすんなりとは結ばれないこともあります。
あきちゃんが置かれている状況も、そう簡単には解決できない状況でした。
もしかしたら一生結婚できないかもしれないと思っていたようです。
ところが、カメラマンはそんなことは薄々感づいていて、自分がなんとかしなければいけないと分かっていたのです。
カメラマンはあきちゃんには話していませんでしたが、自分の実家の両親にも、妹にも相談していました。
どうしても結婚したい相手がいるけれども、自分が婿養子になること、
あきちゃんの両親と同居するかもしれないことを話し、どうにか承諾してくれるように頼んでいました。
カメラマンは妹と2人兄妹の長男なので実家でも跡継ぎ問題があり、すんなり承諾というわけにもいきません。
何か妥協策はないか、解決策はないか話し合うだけで時間が過ぎていきました。
そうして数年が過ぎたころ、カメラマンの妹にも真剣にお付き合いをする彼氏ができました。
ふたりの間が親しくなるうちに、妹は家庭の事情を話すようになり、兄に結婚させてあげたいことも、跡継ぎの問題だけが残っていることも話しました。
同じ長男の立場である彼氏は、自分のことのようにいろいろと相談にのってくれていました。
妹と彼氏のお付き合いも順調に進み、そろそろ結婚をと考えていたころ、彼氏から提案がありました。
「僕が婿養子にはいります。両親からも兄弟からも承諾済みです。」
彼氏は家督を全て弟たちに譲り、自分はカメラマンの家の婿養子になるので妹との結婚を承諾してくれるようにと申し出ました。
そしてあきちゃんとカメラマンとの結婚も承諾してくれるようにと頼んできたのです。
これでカメラマンがあきちゃんの家の婿養子になっても、両家の跡継ぎ問題は解決したのです。
願ったり叶ったりの申し出に、カメラマン家族は大喜び。
念願のあきちゃんとの結婚が目の前に見えてきました。
ここまでお膳立てができれば、あとはあきちゃんの両親に挨拶にいくだけ。
あきちゃんの家の新築工事も終わって落ち着いたころ、カメラマンは挨拶にいきました。
何も知らないあきちゃんは当然プロポーズを断ることは分かっていました。
カメラマンが知りたかったのはあきちゃんの両親の反応でした。
でも、両親が反対しているわけではなかったことがわかり
婿養子に入ることも同居することも全部受け入れることができると説明しました。
驚いたのはあきちゃんです。
そんなに真剣に考えてくれていたカメラマンとその家族に、感謝の気持ちでいっぱいになり泣けてきました。
そもそもあきちゃんもカメラマンのことが大好きで、跡継ぎ問題さえなければプロポーズを受けたいと思っていたのです。
一人っ子の責任感と、自分の本当の気持ちの狭間で苦しんでいたのでした。
でももうふたりの間には何の障害もありません。
出会いから5年。
いろいろありましたが、あきちゃんを一途に思ってきたカメラマンに幸運が廻ってきたのでした。
妹が結婚式を挙げた次の年に、あきちゃんとカメラマンはめでたくゴールイン。
ふたりは毎月欠かさずカメラマンの実家を訪問し、妹夫婦との付き合いも良好で、お互いの家族の間にも子供を授かりました。
どちらの夫婦にも男の子が生まれたので、跡継ぎ問題を考えることなく平和に暮らしているのでした。
これであきちゃんの話はおしまいです。
つたない文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
あきちゃん、いつまでもお幸せに♪
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